5冊目『ストレートに思想を伝える絵本』ペツェッティーノ / レオ・レオニ (好学社)

レオ=レオニによる自分探しをテーマにした絵本である。「ペツェッティーノ」という人物名が日本では馴染みがないからなのか、3冊目で取り上げた同じ自分探しがテーマの『スイミー』と比べるとあまり知名度がないが、より自分探しというテーマ性が深い絵本である。

主人公の名前はペツェッティーノ。小さなひとかけらである彼は他のみんなと比べてとても小さく、自分は何かの部品なんだろうと思っていた。そして彼は自分が何の部品なのかを確かめにいく旅に出ることにする。
レオ=レオニの絵本に出てくるキャラクターは、基本的に動物である。ネズミ、ワニ、サカナ、ウサギ。なのに「ペツェッティーノ」 は”四角い何か”という、とても曖昧な存在だ。これは『スイミー』と比較するとその意味が少しわかってくる。おなじ「自分とは何者なのだろうか」という自問であっても、『スイミー』では「自分には何ができるのだろうか」という他者との相対的な距離に関する部分にフォーカスされてるのに対して、『ペツェッティーノ』では『自分って何でできているのだろうか』という純粋な問いを追求していく。それを「自分は何かの部品ではないのか」というわかりやすい形に変えて示している。故にきっとこの物語のキャラクターはこれまでのような動物ではなく、少し無機質でカラフルなのだろう。

よって、物語の結末もこの無機質なキャラクターならではの分かりやすく提示される。それを書いてしまうとこの絵本の中身のほとんどを書いてしまうことになるので、そこは敢えて触れないからぜひ手にとって読んでほしい。
レオ=レオニの物語は愛すべきキャラクターたちが繰り広げるストーリーが魅力のうちだが、そういう意味ではこの『ペツェッティーノ』は少し向きが違っていて、そこがまた面白い。彼の物語は大体にして寓話の要素を多く含んでいるが、その思想の部分がより色濃く表現されているのが『ペツェッティーノ』といえるだろう。









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